11歳

長女11歳の誕生日。中庭の紅葉は、新しい葉っぱを赤々と広げた。空の青と赤の鮮やかなコントラストが気持ちを晴れやかにする。

今日は早く帰る。夕食を家族5人で食べて、ホールケーキで祝う。プレゼントは「なにかほしい気もするけど、なにもほしくない気もする」ということでひとまずおあずけ。夕食はご所望のステーキ。妻が仕事で獲ってきた今年はじめてのたけのこ。ケーキは指定のところでフルーツがたっぷりのやつ。音楽は彼女の好きなセカオワをかけつづける。たくさん写真を撮ったが、マルを抱っこしているときが、やはりとびきりの表情である。とても動物好きな子になった。獣医を目指すという。

「牛の肛門にてをつっこめる?」とぼく。

顔をしかめて「それ、何回きくの?」とあきれられる。

「気持ちがかわってないかなと」

ぼくの肛門に手を入れるのは勘弁らしい。

「動物でないから」

「パパも動物だよ」と隣から次女がフォロー。

実現できたら、動物たちも、飼い主もたくさん幸せにすることだろう。算数で単位の計算が苦手でさっぱりわからないという話。小数、ミリ/キロ。たくさん間違えればいい。間違ったら、復習する。それで覚える。怪我をしたら気をつけるようになることと同じという話す。息子はオーストリアはゲップをしたら罰金をとられるという話題を提供する。新しい学校の話、源氏物語のことなど。源氏物語は漫画でよんで、長女は全く面白いと思わなかったという。次女は恋愛小説大好きだから興味ありそう。

夕食が終わった頃、「わたし、誕生日プレゼントでセカオワのライブ行きたい」とつぶやく。

学校はまだ午前までで、午後は仲良しの友だちと遊んだそうだ。根っこが明るいし、さっぱりしている。一緒にいて、こちらも明るい気持ちになる。感性もみずみずしく、発想も豊かで、こちらびっくりするナイスアイデアを思いつく。たとえば最近では素敵な栞をつくる。世界をみるまなざし。たくさんの気づきを得られて楽しい。本もたんさん読む。こんなふうに育ってくれて、父としてうれしく、この子が我が子で感無量である。

次女は、姉のためにミサンガをこっそりつくってプレゼントした。「パパは?」と尋ねられる。夕食のとき、長女と自分の分のラッシーをがんばってつくる。

息子は今日1年ぶりの身長測定で178センチだったそうだ。てっきり180センチいっていたとおもっていたので意外である。中1から中2で10センチ伸び、中2から中3で5センチ伸びた。伸び率が半減。このままだと183センチくらいで仕上がるのか。ぼくより大きくなると思いこんでいたが、そうはならないようだ。妻にいわせるとちょうどいいらしい。バレー選手にとってはどうなのかな。新しいバレー部の顧問は相撲経験者で、しこの踏み方を教わり、息子は筋がいいとお世辞を言われたそうだ。

長女は今週、幸せそうにマルと一緒に寝る。これからも元気に大きくなってほしい。どんな大人になるか、とても楽しみだ。

生まれてきてくれてありがとう。感謝する日。