家族でカラオケ。息子も来る。行き慣れているのか、どんどん曲が入る。ぼくは聴く側にまわる。一曲でも子どもたち、妻が歌ったほうがよかろ。大きなプライドポテトを長女がおねだり、びっくりするくらい高い値段だけど喜ぶ顔がみたいからオッケーする。
ドリンクバー。ホットコーヒーと冷たいソフトドリンクも飽きたので、サイボスティーやジャスミンティー、あったかい飲み物に切り替えて、ディーバックをお湯に浸していると、長女が「そんなのあるのか」と気になったらしい。
「ちょっとちょうだい」
「ジャスミンティー、初めて飲んだのは高校の修学旅行で北京に行ったときだな。ママも行ったやつ」
「体にいいんでしょ。飲み過ぎると毒になるけど。『薬屋のひとりごと』でいってた」
曲は藤井風、HANA、ちゃんみな、vaundy などイマドキのものばかり。
次女は「back numberが好き」。控えめに息子に合わせて歌う。
息子が『糸』を歌った。こんな日が来るのかと感慨深い。「だれかの傷をかばうかもしれない」の歌詞を読んで、「なるほど」と長女が関心していた。
家族5人で揃う思い出というのは、もはや珍しい。これこそ、何十年後かに、自分の心を懐かしさとともに温めてくれることだろう。いまのぼくがiPhoneに出てくる写真によって、そうされているように。「この日はもう訪れない」という一抹の寂しさと共に。
家族が元気で探しているなら、それで十分。