姉妹

「パパ、寂しいと思ったことなかった?」(次女)

どっこい長女が家にいないと、のびのびすると思いきや、次女は寂しいという。物を取り合うこともない。言い合いになって、険悪になることもない。相手がいないのは、それでも物足りないらしい。

「姉妹って、いいね」

「ママも同じこといってた!」

「一人っ子のパパにはわからないなぁ」

上の質問が飛んでくる。ほかの家の兄弟をみて、そう思わなかったかと。思ったことはあるだろう。でもいないのが当たり前だから、気にもしないし、よく覚えていない。

代わりに従兄弟や祖父母の存在が大きかったように思う。夏休みになったら、東京から祖父母の家に次々従兄弟家族がやってきて1週間くらい過ごす。楽しみな夏のイベントだった。

夕食の小皿が一つ余っている。妻が長女の晩までサラダを取り分けていた。

ラジオ体操に一人で一人で行く朝。姉が帰ってくるのを心待ちにしている。

長女はそんな気持ちはつゆしらず、ラフティングを満喫したことだろう。それでいい。

マルはどう思ってるのかな。溺愛して可愛がってくれる長女のこと、長女が旅立つ前にお願いしてたように、帰ってきてもちゃんと覚えているのだろうか。