マルとドライアイス

兄、妹二人の3兄弟が同じ場所で同じものに関心を示すことはめったになくなった。週末の夜。妻の遅ればせながらの誕生日祝いのケーキ。娘たちのリクエストで31のアイスケーキを買った。それを家族5人で食べるとき、箱にドライアイスがあった。指で長女が触って「痛い」となるヒヤヒヤがあったのち、もくもくと出る白い靄に3人が興味津津で、ボウルに水をいれて中にドライアイスを入れるとさらにキッチンで雲が湧いてくる。それを3人ともそれぞれ不思議そうにのぞき込む。雲は二酸化炭素ではなく、空気中の水分が冷やされたものだと調べてわかる。「水からポコポコしているのは二酸化炭素やろ?」と息子。

夕暮れ時。息子が『進撃の巨人』を見ているとき、長女が「行く?」とマルの散歩に誘うと乗っかって、こども3人でマルの散歩にでかけたそうだ。ぼくは図書館からの車の帰り道、マルを連れた3人が歩道にいるのを発見する。窓を開けて声をかける。そのあと3人は公園にいって、2周したそうだ。

マルとドライアイスが3人を結びつけてくれた。