読書めも〜『建築の難問』

『建築の難問』/内藤廣みすず書房/2021

一気読み。心にのこった内容。

・建築を、建築家一人の仕事だと捉えるのはメディアの勝手だが、表面的な理解でしかない。建築家は神様ではない。実際は多くの名前が出ない人たちの尽力が、その価値を生み、建築を支えている(あたりまえのこと)

・建築を批評家が語ることを失敗するのは、その生産の現場を知らないから。リアリティがない(これも、やはり表面的にしかならない)

・世界はどんどん、細切れになっている。(それを資産化して経済的利潤を求めるのだから、どんどん建築は長期的な視座から考えることが難しくなっている。)

・進化のスピードはどんどん早まっているが、身体は旧石器時代から変わらない

・土木、都市、建築がバラバラだから結果、街全体が良くならない

・建築がめざすのは「和解」。つながりを生むこと。

・地方を良くするのは、地方。地方で腰を据えて、一時的に都会から来た人が追いつけないくらいの研究をしないと

・日本の空間は空気を流す。結ぶ像は時々刻々変わる。