「おれ、釣り堀好きになった」
息子。昨日いった遊園地で一人1時間釣り堀。ぼくと妻は娘たちの相手なのでそばにいれない。一人で大いに結構な年齢で、勝手にチョウザメを2回釣り上げて「チョウザメ賞」カードを2枚もらっていた。周囲は大人ばかりで、息子ほど釣った人もおらず、驚かれていたらしい。それがまた自信になったようだ。
いっしょにいったご近所さんのママがたまたまチョウザメを釣り上げていたときにそばにいてくれて息子が持った写真を撮ってくれた。
「あの写真、送られてきた?」
「まだ」
濁った汚い池でしかないが、真ん中の方にいると思って真ん中の方に投げ込んだこと。魚影が見えたからそこを狙ったことなど。そばにいなかった分、報告で知る。
一人で寂しくなかったか、退屈しなかったか尋ねても「ぜんぜん」とケロットしている。
「連れなくても、やることいっぱいあるんだよ」
1日たってもなお「釣り堀またいきたい」とまだ興奮冷めやらず。
チョウザメ賞はおもちゃがもらえる。彼はいらないから、ご近所さんのかわいがっている男の子にあげるんだと、男の子を呼んで選ばせてあげていた。その子と合流できたときは彼はバイキングの列に並んでいたが、その列も未練なく出てその子を景品交換所まで誘導していた。お兄ちゃんになった。
ぼくは小さい頃、この釣り堀に父と来た覚えがあるが、餌の団子が固いくて独特の臭いがすること、連れないこと、池が淀んでいること、父と気まづいことなどで印象が全くよくなかった。変わらぬ風景に不安だったが、そんなことをつゆ知らずの彼は楽しめたようで何よりである。