ひみつ

引き続き、ぼくが咳をするたびに次女が「大丈夫」と背中をそっとさすってくれる。そんな彼女が夕食時にペンダントをテーブルの目の前において、両手を握りしめ、目をつぶってなにかお祈りしている。10秒くらいはやっている。長い。

目を開けてから「なにお願いしたの?」ときくと「内緒」という。そのペンダントは友だちの家でつくったものだそうだ。翌日。保育園にもそのペンダントを上着の下にしていっていた。二人だけなのでこっそり小さな声で「願い事なに?」と再び尋ねても「内緒」とやっぱり教えてくれない。