「ねえ父ちゃんみて」と前髪を手で上げておでこを息子が見せてくる。
「ここいたい」
示した指の先にはブツブツとニキビが。
ついにきたか。ぼくは中高時代ほんとうに顔面がニキビだらけになり、苦しめられた。
息子も遺伝的に避けられないのかもしれない。きれいにすること、さわらないことを言い聞かせる。自分が苦しんだことはやはり、息子には味わわせたくない。
風呂に入る息子が「足の毛も少しはえてきたよ」と教えてくれる。声変わりもまもなくはじまるのだろう。
風呂から上がったら、ずっとメダカを「魚って不思議だよね。見飽きない」とじっとみている。メダカがウンチをしたのをみて喜んでいる。