「サイクリングいきたい」
長女も新しい白い自転車を買って以来、隙をみつけてはこの言葉をいうようになった。
今日は黄昏のピアノから帰ってきたとき。まん丸の真っ赤な太陽が海に向かっていた頃。息子の英語を迎えにいって、そのままサッカーに送る時間が迫っていた。あと10分くらいしかない。
「1周だけね」と事情を説明して、近くの町会を一週。とにかく空が赤くてきれいだから、それを眺めながら並走。
「ねえ、太陽、ついてきてるよ。」
発見し、不思議そうだ。
「好きだからじゃない?」
学童で今日はプールに2回入って、バルーンアートの作り方を教えてもらって楽しかったことを教えてくれた。
ちゃんと交差点ではスピードを落として、左右を気にしているのを確認して安心した。「道路に『止まれ』とかいてあったら、自転車でも止まるのだよ。」
「わかってるよ」
家についたら物足りなかったのか、「一人でいってきていい?」ということでもう一周いっていた。もしも断っていたら、拗ねておわっていたし、一人で行くこともなかっただろう。ゼロとちょっとだけ、はぜんぜん効果が違う。