面白くない話

面白くないと感じる話の条件は2つ。ひとつは、抽象的な話。たとえば政治家や役人の挨拶、あるいはコンサルタントの提言。もう一つは、自分は痛みを追わない無責任な立場からの話。たとえばテレビ番組のコメンテーター、匿名のSNSの投稿。

逆にとらえよう。漫才は必ず具体的なものをテーマにするから面白い。戦争の体験談は、その人が当事者だから切実に伝わる。

この手の2つの面白くない話は基本的に読まなくてよく、無視してよい。発する言葉は、自分が実際に体験し、感じたこと、それを他者に伝えることの責任を伴ったものでないと、たことたこと、空疎なのである。結局、魂から出た言葉ではないと面白くない、そういうことでまとまるのかもしれない。そしてこれもまた、抽象的な話。