赤と黒

「ねえ父ちゃんここにあるよ」

息子とスポーツ店にいった。息子のブーツを買うため。23センチだともう小さい。同じ型の24センチのものを買う。これも来年にはもう履けないのだろう。2000円。23センチのものは妻が履けるという。

そのついでにぼくのニット帽と、ぶ厚めの部屋着のパーカーを探す。ニット帽は半額の600円のお手頃なのがすぐに見つかるがパーカーがない。

「ないわ」と諦めかけて「もう行こう」とぼくがいうと、息子が奥の方にあるかもしれないと探してくれて見つけてくれた。おかげでお誂えのものがあった。

その近くに自転車のコーナーがあって、ロードバイクをしげしげと見ている。赤と黒のやつを「かっこいい」と欲しそうだ。

赤と黒、好きなんだな」

赤と黒、かっこいいやろ」

そういえばテニスの格好も赤と黒だし、彼にとっては小さい頃から馴染みある、お気に入りの組み合わせなのだろう。

「おまえのおかげで、手に入れることができたわ」というと満足気であった。温かい。