ファンタジー

公文から帰って晩ごはんの前。クリスマスツリーを出したいということで、積極的に土間の掃除を長女と次女がせっせとしてくれた。「早く出して」とせがまれて妻がクリスマスツリーを箱から出して設置。飾り付けもやりたいそうだ。

ご飯を食べてお風呂に入ってパジャマに着替えて後は寝るだけ。そこから飾り付けを次女がせっせとやる。長女はあまり参加せず、学校で借りてきた本をとなりのこたつ読み始めた。次女はどのオーナメントが好きか教えてくれる。金色のギザギザの星型のもの。てっぺんに大きな金色の星を指すところがあって、指してもそれが傾いているのが気に食わなくて何度もやり直してまっすぐにする。

「サンタさん、喜んでくれるかな」

飾り付けに満足したらこのひとこと。そうかサンタさんのためにやっていたのか。その後、次女も長女にならって本を読み出す。本を読む行為は感染するようだ。二人ともすごい集中力で沈黙が流れ、暇なぼくもつい読み始めた。3人のうちぼくが最初に眠くなる。本を離して寝ていると「起きてて」と横から次女。やがて次女も「寝よう」と二人で寝床にいく。しばらくしたら長女もやってきた。あと少し本は残っているけど眠くなったようだ。睡魔も感染するようだ。

翌朝。長女もプレゼントが楽しみで「いつもここにプレゼント置いていくよね」とツリーと玄関の壁の間を指す。「私、何人いるか聞いてみるんだ。サンタさんって何でもしってるものしりでしょう。」

次女は一番最後に起きて朝ごはんも着替えもおいてきぼりをくらい、不機嫌でなかなかパジャマから着替えない。サッカー教室なのでサッカーのユニフォームである。タンスからみつけているのに動かない。パパが「早く着替えな」と促しても動かない。そこで、昨夜みつけた雪だるまの指人形、次女がぼくに話しかけてくれたものを今度がぼくが使って雪だるまとして「サッカーいこう。着替えよう」と声色をかえて話かけてみる。するとパッと笑顔になって機嫌が直り、さっさと着替えた。効いた。

保育園に送ろうとガレージにいったら「今日、歩けるんじゃない?」と次女。以前、晴れていたのに車で送ってしまい保育園についてから「あ、今日歩けたね」とぼくが悔やんだことを覚えていてくれたのだろう。「そうだね」とぼくの自転車に乗せて歩いていくことにした。「ナイスアイデア

「ひなたって、温かいね」

快晴で朝日がまぶしい。いつも洗濯物を干している優しいおばさんが今朝はいないこと、サッカーにはこの階段を通っていくこと、となりのお家の玄関から家の中をみたらすごく広くてコタツも大きかったことなどを話す。いつものように、立ち並ぶ家々に感心がある。

「この家、みて。ジャスミンの家が住んでそう。」

ジャンスミンの家、ではない。ここは「住んでそう」なのだな。

階段で大きな落ち葉を見つけてうれしそうだ。保育園につくと他の保護者が抱っこする赤ちゃんがいたら近づいていってほっぺをツンツンする。子どもはファンタジーの中に生きている。