コシ

「じゃぁ、なんで教えてるの?!」(次女)

トランポリンで次女が壁にぶつかっている。「コシ、コシ」という腰で落ちて180度向きをかえてまた腰で落ちるという連続技。最初の腰で落ちた後、どうしても右足が立ったまま落ちてしまう。何度もコーチから「違う」といわれ、「手を上げなさい」ともいわれて混乱気味。悔しいのだろう。目に涙がたまり始めている。抱きしめて「もう嫌になった?」と尋ねると頷いたような気がした。

「もうじゃあ今日はしなくていいよ。いつかできるようになるさ。できなかったことほど、できるようになったらうれしいぞ。」と励ます。しばし沈黙。

「『もう練習しない』なんていってないよ」

「そうなの?頷いてなかった?」

首を振る。思ったより立ち直って前向きのようで安心した。また立って飛び始める。そこでぼくが彼女が練習する横で「腕を耳につけてごらん。そして右足を気をつけて」とたまらずアドバイスをするようにしたら、「パパ、できるの?」とすかさず訊いてくる。

「いや、できないね」と正直にいうと上の質問。

たしかに一理あるので、次女のとなりでぴょんぴょん調子よく練習している長女にお願いをして「コシ、コシみせて」とお願いする。見事なお手本を披露してくれる。

「私もできるまで大変だったよ。靴下挟んで練習したらできるようになった。」と長女。

靴下を両足の先で挟んでやってみるとのこと。たしかにそうしたら両足が離せなくて両足とも折り返して回転できる、のか。

早速次女も試してみるがやはり癖は抜けず、はさんだ靴下も落ちてしまいうまくいかない。その日は結局できなかったが、まだ心は折れていないもよう。長女も苦労したと聞いて安心したのかもしれない。がんばれ。いつかできる日が楽しみだ。