消尽

視力を無くすまで、人生の時間のあるかぎり、ぼくの両目はこのスクリーンにばかり向けて、後悔しないだろうか。いやする。何かの罠にかかっているような。牢屋に閉じ込められているような。

無駄にできる時間があるというのは恵まれている。でも、夢中になれることがないのは豊かではない。

青空。桜が満開になった。今年も。街は賑わっていた。どこか、遠くの世界に見えた。こちらは気の重いことばかり、気分は晴れない。今年ばかりは。

帰るところ。なくなるとつらいから、離れられない。街がなくなるとは、帰れなくなるということ。どこに住むか、人生における大きな問いの一つ。

考えても、話をしても答えは出ない。無に帰するべし。寝てたい。