扇風機の思い出

「パパむかし、保育園で扇風機のコンセント入れてたよね」

長女が学校で先生から呼ばれて、教室の後ろにある掲出物を取るのを手伝ったらしい。なんで自分が呼ばれたかというと背が大きいから。

「パパを呼んだらよかったのにね」と伝えたら、笑って上の思い出話。保育園の高いところにある扇風機のコンセントをせんせいから頼まれて入れていた。

「背伸びしてたよ。お腹も出てた」

5年以上前だけど、ささいなこういうシーンも鮮やかにまだ記憶している。小さな頃は特に、何がどう感じられ、伝わっているか読めない。一瞬一瞬ちゃんと接さないといけないとつくづく思う。その一つ一つが、世界観を形づくっている。まっすぐ育つかどうかは、そんな細やかな、だけど深いところで刺さっている印象の積み重ね次第なのだろう。大きくなってからもだけど。