観察眼

「わたし、まだ9歳なのにいろいろおこって大変だよ」

次女、寝床で。ぼくは隣の長女の足を揉んでいる。長女はもう寝たようだ。

先にドライヤーをしてあげているときから、ちょっかいを出してくる同じクラスのうっとおしい少年の話。去年から続いている。今年度も同じクラスになってしまった。相変わらずだ。

他の女の子が、その少年が授業中に堂々と鼻をほじっていることを指摘したら「なんで?べつにいいやん」といってやまなかった。やっかいがられているらしい。

それでもその少年と仲良くする男の子もいること。その子は性格がいいナイスガイらしい。

クラスでみんなから悪態つかれている子のこと。その子はおとなしい優しい子だからかわいそうと。

さらに、小さな頃からしってる女の子の友だちも、順番に仲良い子の嘘の悪口をいってまわっているらしい。次女もそのキャンペーンの対象になってたいへんな思いをしたと。今は乗りこえたみたい。

家でも、気になることがあるという。教えてといったけど、かたくなに教えてくれなかった。

「言っても良くても、言わない。大丈夫」

「パパにいいにくかったら、言いやすい人にいいな」

「うん。おやすみ」

いろいろ敏感に観察して、疲れやすい気質なのかもしれない。いまは追い込まれている感じはなく明るいが、もっとテキトウになって、気楽に日々を生きていいんだよ、といいたい。