お金のこと

子どもたちへ。

連帯保証人には、どんなことがあってもなってはいけないよ。それがだれであっても。とつぜん、人生が壊れます。

友だちでいたければ、もし「お金を貸して」と言われてたら、それは「あげること」と同じだと思うほうがいい。返ってくるとは期待しない。そして、一度貸したら、もう一度借りにくると思ったほうがいい。

一緒に食事のときとか、旅行とか、時間と場所を共にしたときの貸し借りはあるものだ。時間と場所を共にしない、一方的な貸し借りは、友人知人とはしないほうがいい。世の中にはお金を貸すことを仕事にしている銀行がある。銀行が貸してくれないから、友人とか知人に頼る。とても困った状況のときにしか、相談はこない。

いままでお世話になったからという理由で、情がうつることもあるだろう。でもね、そのような状況は、貸そうが、貸さまいが、その相談を受けた時点で友情はないと思ったほうがいい。貸して保つ友情はまがいもの。貸さずに壊れる友情もしかり。ほんとの友だちには、借りようとしないものだ。

「あのとき貸したよね」と言われないように、借りないようにすることも、もちろん大事だよ。

お金は豊かにするところもある一方で、ものすごく、怖いものでもある。

連帯保証人のように「ハンコ押して」と言われたときも同じ。絶対押してはいけない。自分のためにハンコは押すもの。人のために自分のハンコは押してはいけない。代わりになってくれる有限責任の会社という仕組みがある。自分ではなく、法人としてのハンコが世の中にはある。

迷ったり、おかしいなとおもったら、周りに相談することも有効だね。当事者どおしではなく。

よくわからないものを友人から勧められて「買って、幸せになるから」というのもまた同じだね。幸せとか効き目とか、ほんとうにあったら科学的に実験をして、責任をもって保証するお墨付きがつくはず。それがないのに何人かだけが効いたような気になってるものをあたかもみんなに効いたように一般化して売りつけようとするものが世の中には溢れてる。これもまた、気をつけよう。「おかしいな」のアンテナは、視野が狭かったり、人間関係が狭いと鈍ってくる。いろんな人と知り合いになったり、たくさんの本を読むことか予防策だね。過去を振り返れば、同じような悩みとかトラブルで困った例がたくさんあるし、それを乗り越えた話もたくさんあるから。

パパもこれをなぜ今日書こうと思ったかというと、紀元前、今から3千年くらい前のギリシャの社会の変化の話を本で読んで、上のようなトラブルがやはり当事あったことを知ったから。お金ができたときから、同じようなトラブルが繰り返し起こり続けているんだ。