焼き鳥とキャッチボール

朝、車で次女を保育園に送る。今日含めてあと2回。

長女と息子は家にいる。長女は塾の宿題をやって、息子は友だちが遊びにきてはなれでゲーム。長女はcmをmmに変換したりの算数の問題。目の前にメジャーをもってきて、実際に長さを見せてやる。そのあとピアノの練習をして、「ね、これ何の曲?」と聞いてくる。

「『眠れる森の美女』のやつかな」

「そう」

一部のメロディを自分でみつけたそうだ。うれしそうにしている。

昼ごはんはイカと鳥肉のミックス塩焼きそばをつくる。

友人が息子を迎えにきて、自主製作映画のオーディションに行く。映画製作に興味があって、一度試しにいってみるとのこと。

やがて帰ってきた。役をローテーションして台本を読まされた。いくつか質問があって、「最近読んだ本は?」と聞かれてちょうど読み終わった『祈りの幕が降りる時』と答えて、「ミステリー好きなの?」のやりとりにつながったという。こども映画教室に出たから映画に興味をもったこと、前は音声担当だったから演じるのははじめてということを伝えたらしい。他の子は演劇をしていたり、本格的だったそうだ。

「落ちたら、そんなもんや。」

確かに失うものはない。でもそういうふうに作られていることを体験しただけでもなにかの糧になろう。

自転車で公園に遊びにいくという。いい木をみつけて、木登りが楽しいことを改めておもったそうだ。一人で登って目をつぶったり。

長女とキャッチボールをする。これもどんどん上手くなる。

妻が帰ってきて、残っていた塩焼きそばを「おいしい」と褒めながら食べる。次女を保育園に迎えにいって、娘たちをプールに連れていく。ぼくは息子を塾に送って、プールにむかう。今日はテストの日。次女がプールサイドで三角座りをするとまだまだ小さい。競技は次女はクロール25m、長女は浮き輪なしの背泳ぎ50m。心細くなったのか、次女の番になる直前にぼくらの方をむく。手を振ってはげます。長女も次女も、泳ぎながら紙にコーチがなにやら書いているから結果は残念なことが分かった。でもふたりとも確実に上手になっていた。そのあと、友だちと一緒にファミレスにいくことになっていて、それが楽しみだから不合格の落ち込みはなかったようだ。

ぼくは息子を塾に迎えて、二人の夕食。いつもはいけないところ、焼き鳥に行くことにする。行ったことがない家の近くのカウンターの焼き鳥屋に入ってみる。ぼくはノンアルコールビール、彼はオレンジジュース。もうこの年齢になると馴染むことができる。手羽先を10本頼む。胡椒が効いた居酒屋の味ははじめてだろう。「ご飯、白米ないの?」と要求。うまいうまいと食べる。肉がきれいにとれて骨だけになると「きれいになった」と喜んでいる。

彼とカウンターで並ぶ日がかくも早く来るとは実に感慨深い。あと8年で合法的に酒も飲めるようになる。楽しみだ。