手が動く

子どもたちへ。最近感じるのだけど、頭から遠いものが動く人の方が信頼できる。例えば手や足をせっせと動かしている人は信頼できる人が多い。口だけ動いている人は信用できない。たとえば、原稿を部下にかいてもらってそれをただ読み上げる政治家、言葉巧みに口車に乗せる営業マン、思いつきで感想だけをいって共感を得ようとするコメンテーターなど。「口約束」というのも信頼がない約束のこと。

頭で考えたことは、遠いところを現れた方が、本当なんだと思う。遠いほうが、動かすのがしんどいからね、それでも動かすのだから意志がないとできない。そして、それらが動いた結果はずっと残る。例えば書物や手紙、絵とか千羽鶴とか。それらは口よりも気持ちを伝えてくれる。最近は目や口によるコミュニケーションに偏って、手足は機械に任せるようになってきたから、危ない気がしてる。もっと危ないのは、目や口だけを動かすことしかせず、手や足を動かす大変さを分かった気になることだ。それらに価値を見出そうとしないのはより深刻。家事しかり、手足を動かす大変さは自分でやって、感じた方がいい。やってもらったとき、感謝の気持ちが芽生えるから。たとえ機械がやる時代になったって、機械に「ありがとう」を言えたほうがいい。

逆もしかり。手や足を動かしたら、頭も動くよ。口を動かすよりも動く。ぜひ子どもたちには、口だけではなく、手や足もしっかり動かすことができて、信頼される子に育ってほしいな。

ちなみに、「じゃ、目は?」という質問が来そうだね。目は動かすものではないから対象外。「目は心の窓」というから、そのまま表れてる場所。