ミステリーハンター

長女の夢は、地球上のすべての国を周ること、にしたらしい。素晴らしい。ぜひ叶えてほしい。アムステルダムは外せないと。でも親としては、危険な国がなくなるのが一番だけど、もしあれば、ちゃんと避けてほしい。安全と健康第一。地球を体感。両手に満たない国しかいけてない、ぼくが叶えられなかった夢でもある。イタリア、スウェーデンアイスランドベネチア。友人たちの話を聞いて、憧れる国々。あげたらきりがない。

お礼

長女の誕生日、彼女の父方の祖父からお祝い届く。何も言わなかったけど「パパ、送っといて」と手渡されたくまのプーさんの絵葉書。お礼と近況が書いてある。ホラー映画にハマっていることも。自分からちゃんと筆をとった。たいしたものだし、うれしい。

お礼の手紙は、いつの時代でも人間関係を築く基本。安藤先生から学んだこと。怠ることなかれ。

コーヒー

オムライス食べた帰り。同じビルにあるスタバでコーヒーを買いたかったが、「本日2杯目」のレシートをもう一つの車に置き去りにしたために、できなかった。家を出て車に乗ったときわかっていたけど、その場で取りに行く手間を面倒におもって諦めた。

家に着いて、車を乗り換えてスタバに買いにいこうか。そうおもって時間を確認したら、あと6分で閉店で間に合わず。家のコーヒーは今朝尽きて、淹れることもできない。

再度諦めたら、この一連を聞いていた長女。こたつでぼーっとしてるぼくに「パパ、はい」とインスタントコーヒーを一杯つくって、持ってきてくれた。彼女の誕生祝いのディナーのあと、成長感じる優しさ。心温まった。

カウンセリング

「パパ、公務員の仕事、楽しい?友だちいる?誇りをもってる?ほかの仕事したら?」(次女)

夜寝る前にぼくがこたつにいたら。歯医者にいって、なんか言われたみたい。

「パパのたいへんそうな顔みてたら、わたし公務員になりたいと思わないな」

「他の仕事をしてというのは、お金のこともあるけどね」

いかにも、気を使ってる顔をしている。

友だちも、いない。気が合うと思えた二人は、すでにこの職場を去った。もちろん、鏡のような素晴らしい奉仕者も、いる。ぼくは、所詮中途半端である。

「公務員の仕事は本来大事で尊いものだとおもうけど、『意味』を考えちゃう人は、つらくなるから、やめた方がいいよ。あと、がんばる人とがんばらない人で、お金も出世も変わらないから、がんばったからといって、報われないし、がんばらない人もたくさんいるから、その人たちとも一緒に仕事をしなくちゃいけないよ」

親として、彼女はならない方がいいと直感する。人の気持ちに寄り添える分、歯痒さばかりを感じてつらくなることが想像つく。変わるところも出てくるけど、組織の仕組みはまだまだ変わらないだろう。だから、正直に伝えた。端的にいえば、やりがいよりも100倍くらい、歯痒さとみじめさを日々感じるのである。その先にあるのが身分の安定だけ、でよしとするのか。自らに問いかけねばならぬ。彼女にはもっと向いている仕事はあるはずだと思うのだ。

もっとも、公務員といっても、いろいろある。これは事務方の話。スペシャリストの職種なら、また別の話しだし、ぼくにはわからない。

彼女はぼくが地方公務員の仕事をしてる時期しか知らない。そのむかし、エネルギッシュに、心許す仲間といきいきとしていたころのこと、伝えきいているのかもしれない。しきりに「戻ったら?」と勧めてくれた。子どもたちのことも、知らず知らず迷わせてるようだ。向いてないと思う仕事には、就いてはいけない。なまじっか中途半端に処理能力があると、好きなようにこき使われるだけ。器用貧乏というやつ。

そのあたりの微妙さが子どもに伝わるのも、反面教師としてはよかろう。世界は広い。元気にやりがい感じて働ける職、がんばりを歓迎して認められる環境をみつける、あるいは自分でつくって、のびのび社会に貢献してほしい。

こたつ改良

「ここに、棒が立ってたらいい」

こたつの天板の四隅に柱のように棒が立っていて、天板を浮かせて固定できるようになっていれば、布団と天板の間に隙間ができる。そこにいまこたつの上に載っているもろもろの雑品がしまえてスッキリすると。

次女の提案。

ほめつつ、「棒と布団はどうなってるの?穴開けるのかな。布団がずれて棒に引っ張られたらやぶれないかな」と細かいとこ気になるわるいくせ。

「大丈夫でしょ」

穴の周りの布を補強する絵がみえているようだった。