参観日

子どもが起きてるときに、帰れないし、休みもない。かろうじて朝、「行ってきます」の声を聞くくらい。妻の尽力もあり、家庭はまわっている。長女のドライヤーをなかなかしてやれていない。こうして、父の手を離れてゆくのか。

「大丈夫」

小学校の参観日に行けなくてごめんと謝ったら、娘ふたりともそう返ってきた。

それでも仕事を中抜けして、行った。見れてよかった。次女は調べた和菓子について発表していた。長女は算数の割合の授業。100円の90%がわからず、わかる人から座るシステムで、ずっと立って残っていた。

市の美術作品展に出展予定だった図工の作品が廊下に飾られている。

長女の「私の相棒」というタイトルでスニーカーを段ボールで作ったものが並んでいる。器用に紐やマジックテープ、細部まで作り込まれて、実際に履いていたものそっくりの色使い。3年連続の選定。

LINEで褒めると、「私のはみた?」と次女からの反応。次女の絵も廊下の反対側に飾ってあったらしい。てっきり長女だけだと思って油断していた。

息子の受験初陣がいつのまにかおわった。当日の朝、長女が大きな声で「がんばれ」と声をかけていた。長女は初詣のときも、自分の願いではなく、兄の合格を祈った。

ぼくが構わないのは息子にとってはほっといてもらったほうが好都合だろう。あと1ヶ月ちょっとで卒業。義務教育を修める。

いよいよ親としての役割はあとは自立までお金を出すくらいになる。