尊さ

たどりつくのは、同じ時間、同じ場所で話をしていて、尊さを感じることができるかどうか。それだけ。香山先生とのしあわせな時間のように。それ以外はどんどん閉じて、小さくしていこう。年末の飲み会、指名のない大人数はどんどん断る。

齢を重ねて、その尊さをもつかどうか。それに尽きる。

でもぼくの場合、長くは生きられないな。父をみとることはせねばならないが、あと10年で十分。お金を持たない、老人ホームに入れない。子どもに迷惑はかけたくない。あの世で母に孝行したい。

ラソンかバスケあたりでピンピンコロリ。マラソンはいろんな人に迷惑かかるからよくない。バスケの仲間にも迷惑かけてしまうが、「お手数おかけしてすみませんが、そのときはよろしくお願いします。バスケでなくなるなら本望、気にしないでください」と伝えておく。残るものは家くらいしかないが、ローンはなくなるから、あとは住むなり、不要なら売ってくれたらよい。眺めだけはいい土地だから、移住希望の外国人が買ってくれないかな。もし、売れたら、入ったお金は等分に分けてください。くれぐれも子どもたちの間でもめないで。それが最も望むこと。それ以外なにも残せなくてごめんね。

葬式は家族のみで小さく。お金かけない。戒名いらない。どうしてもなら名前一文字と鴨と晶を入れてくれたら十分。棺桶にはお寿司をいれてほしいと冗談のように言ったことあるけど、冗談です。火葬場で待つ間、寿司はあなたたちが食べなさい。棺桶にはなんでもいいから本を一冊入れてくれればそれを読んで過ごす。あとは元気に生きてね。

ついでに書いておくと、脳死とかチューブをつないだ延命は一切不要。心の整理がついたら生命維持装置は止めてください。あと、臓器提供、献体も喜んでやります。子どもたちの手間になるなら心苦しいけど、公務員で税金で食べさせてもらったぼくはそのくらいしなくてはいけないと思う。切り刻んでもらって結構。死んでもなおお役に立てるなら嬉しい。

 

最後はブザービートで3Pシュート決めて倒れる。逆転すればなおよし。田舎の体育館での、いつもの週末の小さな出来事。それを目指すのが一番いい気がする。

生まれ変わったら鴨になって世界を渡るんだ。