墓参り

一人で墓参りにいく。手を合わせて、いつかはここに入って、永遠に寝ることになる。おじいちゃんとおばあちゃんとまた同じ家で、もう起きる必要はないとおもうと気が楽だ。

狭い駐車場にはいつになく車があったし、次々車が墓地に入ってくる。駐車場への道を横切るとき一台の車が前を通る。運転手がこちらをみている。見慣れた顔。義理の叔父さんであった。車が止まり、助手席からお花と線香を持った叔母さんが出てきた。少し立ち話ができた。

あと数秒ずれていたら、お互い気づかなかっただろう。偶然にしては、出来過ぎである。

墓前で蝋燭の炎か風で消えて、またつけて、再び手を合わせたりを繰り返したり、暑そうだからお水をお墓にかけたり。いつもはしない所作を、この日はしていた。

あと少し待っているよう、空から、祖父母が導いたとしか思えない。こういうことは、あるものなのだ。空からご先祖さまは見ているし、導き、守ってくれている。そう思って、日々過ごさなくてはいけない。