孝行次女

「この世で一人も保育士になりたい人がいないこととか、あるかな?」(次女)

お風呂で。そのときは自分がなると。

「パパ、おじいちゃんになったら老人ホームはいる?わたしがいるところに来たらいいよ。こなくてもいいけど」

老人ホームで働くとも急に言いだした。たくさん笑わせるんだという。

「これから日本は老人ばっかりになるから、それもいいかもね。パパはあなたがいるところに入りたいけど、わがままいうかもよ」

「いいよ。聞いてあげる。むりなこともあるかもしれないけど」

「そのときのパパ、ぼけてるから無視していいよ」

「そうだね。次の日、忘れてるとかね」

そのあと、手がなかったり、動かなかったりする人が文字をかいたり、絵をかけるようになるパソコンの機械を考えたいそうだ。

「もうすでにね、分身ロボットというのがあるよ。寝たきりになった人が、喫茶店で働けるように、分身ロボットが代りに動いてお客さんのところいくんだ。『注文はなににしますか』とかね。目の動きでメッセージを伝えてお客さんと会話ができる。そして、それはお仕事だから、給料がもらえるんだ。日本人が発明したんだよ」

目を丸くして「すごい」と感心している。

「だからぜったい、いまやりたい、つくりたいといったもの、できるよ」

「うん。そだね」

お風呂上がり。保育士、お医者さん、学校の先生、どれも昔からあって人を守ったり助けたり教えたり、素晴らしいお仕事だと会話。担任の先生が「もし、不審者がきても、ぼくが死んでも君たちを守ります」とおっしゃったそうだ。使命感がなければいえる言葉ではない。立派だ。児童たちは心強かったことだろう。そのような先生が担任になってくれて、娘たちはしあわせだ。

ファッションデザイナーにもなりたいという。夢はいろいろあっていい。世の中の役に立とうとしている姿勢、大事にしてあげたい。