寝床にて

「パパ、いくらくらいから高いっておもう?」

「パパ、小さなころの夢、みた?」

「ママはいくつお仕事してるの?」

「パパのパパ、お仕事なにしてたの?」

「パパのママ、お仕事なにしてたの?」

「香山先生の設計した家は居心地いい?」

「北海道って、寒い?」

「パパ、おしえてほしい?」

「パパのおじいちゃんは坊主?」

長女が寝床で。明日久しぶりに学校へ行けるのが楽しみで、いつもはすぐ根付くのに、今日はかれこれ50分くらいキャピキャピ元気にマシンガントークでいろいろお話してくれた。

 

将来はトリマーにになりたいと決めているそうだ。将来のおうちは犬、鳥、鴨、猫、うさぎ、ハムスターなどぜんぶ飼ってお世話できる家がいいと。動物園みたいな家。んじゃ山に住むのがいいかもね、というと熊が怖いといっていたが、そういえばこないだガリガリの熊と仲良しになる夢を見たという。家にその熊と一緒に帰ったらパパとママがびっくりしていたという夢。将来は香山先生に設計してもらいたいそうだ。小学生を虜にする建築家。偉大だ。

「だんなさん、いるのかな」

「わからない。動物がたくさんいればいい」

「ひとりかな?」

「わかんない」

「北海道とか、いいかもね」

「北海道って、どこ?」

おばあちゃんが北海道を言及していたことがあるのを思い出したらしく「大きな熊がいるところ」という印象だそうだ。

「でも田舎?まち?にいればダイジョブだといってた」

動物に関わるお仕事がたくさんあるのも本で知っていて、獣医さん、捨て犬の里親を探すお仕事、動物園の飼育員など、いろいろ理解している。その中でもトリマーがやっぱりいいそうだ。

「パパ、教えてほしい」は、担任の先生がどうして小学校の先生になりたいかというエピソード。小学校のとき、バスと電車で通う小学校で、電車を寝て乗り過ごしたら、親ではなく先生が迎えにきて感動してくれたそうだ。そして、当時、自分は自分に自信がなかったのだけど、自分のいいところをいっぱい教えてくれた。一人ひとりの生徒と向き合って、ちゃんといいところを褒める先生になりたいなと思ったという。

後ろの友だちがお金を握りしめて床屋に一人でいって「どうします?」と聞かれて、「坊主」しかしらなかったから望まないけど坊主になったという話。

あと学年主任の先生が北海道のスキー場でモーグルできれいな女性をみつけてかっこつけたら財布落として、名前をアナウンスされたら財布がみつかって、それはきれいな女性の仕業なはずだといっていた、というどうでもいい話。

仲のいい友だちが小学校の先生になりたいと思ったのだけど、自分のクラスみたら大変そうだからやっぱやめようと思った話。

ぼくも中学のとき、電車で通って、乗り過ごしたことがある。駅までおじいちゃんが迎えにきてくれていたけど、あのときどうしたんだったかな、とい話。祖父がお寺の坊主から、「おじいちゃん、坊主だった?」とすかさず尋ね、ドラゴンボールで坊主とハゲの違いが出てきていた。亀仙人はハゲと自分のことをいっていたという場面の話。

 

学級崩壊して大変だけど、それでも学校は楽しいみたいだ。この数日学校にいけなくて、話足りなかったのかもしれない。

まだまだ噺足りないようだったが、22時を過ぎたころ、明日5時半に起きて宿題をしなきゃいけないといっていたから「明日起きなくてもダイジョブ?」と心配したら「じゃ、寝る」といってすぐに寝付いた。

将来、一緒に飲みに行って、こうやっていろんな話をしてくれて、ぼくはふんふんと聞いているのかなと想像したらとても幸せな気持ちになった。

今度はキャプテン翼を読み始めた。