「完璧な人って、いないの?」(次女)
夕食のとき。クラスの好きな男の子はかっこよくて、頭もよくて、優しくて、女子を守ってくれて親切で、スポーツもできて、絵もうまい。完璧らしい、いや完璧だと思いたいらしい。
「完璧な人間はいない。そして、完璧でなくていい。完璧を目指すために頑張るのはいいかもしれないけど」
「でも完璧だよ。どこが完璧でないの?」
くらいついてくる。
「たとえば字が汚いとかさ」
ハっとして、ニコニコ笑顔になった。
「字は上手じゃないね」
ついでに名前まで口からでていた。
女子ではすべて揃った子もいるらしい。
そのあと、パパが小さい頃好きだった子の名前や、ママとのことを聞かれたり。クラスですでにペアをつくっている子がいるらしい。
「私はつくらないようにしてるんだ。ちょっと早いなと思うけどね」
ちょっとではない。それより、自分に自信がなさげなのが気になる。完璧男子の壁はたかいのを感じ取っているのか。
「私が海外の子だったら、どんな名前つけていた?」
長女の名前。もう一つの候補があったことをしっていて、そのもう一つの方になったら私はどんな名前だったかも聞いてくる。別の自分になりたいのか。
小学校完璧な人は、たいてい大人になったらそうでもない。というのを経験上感じてはいるが、その言葉は飲み込んだ。