奥山の公園

「ママ重かっただろうね」

娘2人を連れて山奥の公園へ。一番奥に行こうよ、なんかあったはずと誘う。

「なにがあるの?」

「なんか遊ぶところ」

前回来たときはこっちに引っ越してきてから間もないときだった。まだ次女は生まれていなくて、息子と長女と妻と4人だった。

「でも、お腹の中にいて一緒にいってたよ。お腹の中でチャプチャプしながら」と次女にいうと上の言葉。すぐママの気持ちになれるのがこの子のすごいところだ。

奥に向かうが途中で砂のある道端で止まり、2人で砂を盛り、木の棒を立ててケーキに見立てる。黄色い花をみつけて渡すと飾る。

花に関心が向いて、スミレやヤエザクラを見つけて写真を撮る。これは息子にはなかった。

奥にようやく着くと記憶のとおりアスレチックがある。熊よけのための大音量のラジオもラジカセから流れている。新たにハンモックがたくさん並んでいた。寝転がるととても心地がよい。走り去るイタチを見つける。

「わたし、イタチやだ。こわい」と長女。メルを殺めた第一容疑者だから。同感だ。

長女が家に欲しいのは犬とハンモックらしい。息子の同級生の家にはその二つともあると羨ましがっていた。

帰りしな、遠くの景色をみた先に新しい図書館の現場がくっきり見えて驚く。長女が「あ、あの丸い円盤みたいなのね」と見つける。

そのあと見晴らし台にいく。遊具はないが娘2人で側転をしたり砂で遊んだりランボーダンスしたりいつまでも遊びをみつけて楽しそうだ。なるべく「もう行くよ」とはいわないようにした。自然と区切りがつくまで待つ。

次女は終始裸足だった。

「今度はソリとグローブとボール持ってこようね」

またこの公園に来ようという帰りしな、「ドッチボールしたいな。保育園で」とつぶやく。次女は強かったらしい。

長女はまたすぐ遠足でくるそうだ。