食べ方

はじめてのスイカ。ふんぱつして1個まるごと買った。2000円也。ものすごく高いが、その分子どもたちはめったにないことなので大喜び。それだけで元を取ったといってよい。食べきれないくらいだから、我慢を強いる必要もない。その喜びを噛み締められる程度に、たまにこういうのはあるといい。

さて風呂上がりに楽しみにしていた長女と次女。ひと切れ目の一口目を一緒のタイミング食べようときめて、同時に頬張る。

「一口目は、おいしいなぁ」と次女。たしかに、子どものときぼくもそう思った。

一人3切れずつ配給されている。その食べ方をみて、同じ姉妹だけど随分食べ方が違うことに気がついた。

長女ばぼくに似ている。ガブッと食べて、ペッと種を出す。ふつうだ。一方の次女は出した種はきちんと皿の上の一箇所に集めながら食べている。そして、前世はキリギリスかと思うくらい、赤い部分が全くなくなるまで食べ尽くす。すべて白い。長女をみたら、ちゃんと歯型に赤い部分を残して次のものを食べている。少しほっとする。

この白しかない食べ方は、ぼくのおばあちゃんと同じだ。次女と曾祖母ちゃんを重ねてみる。でも、曾祖母ちゃんは「もったいないから」という戦時中を生き延びたから故の真っ白スイカだった。長女は、たぶん「その方がきれいだから」が優先している気もする。だからちがう。でも、はっきりとした物言いとか、物事の理解の仕方とかなんか似ている気もしてきた。そのあたり大雑把で快活な長女は、どちらかというと母に重なる。どちらも、ぼくが小さい頃から毎日一緒にくらし、同じくらい一緒に時間を過ごし、おのおのから大きな影響を受けた。それが二人の娘にそれぞれ受け継がれているかとおもうと興味深い。