長女を本屋につれていく週末。何度も読んでる『知っている』シリーズを、また読むために買った。そのなかの一節に、青色について語っているところがある。波長ゆえに、青は地球に溢れる特別な色。彼女が青色を好きになった理由。そんな手元に置いて起きたくなった文章に出会えたことは、しあわせなことだ。
執事
妻によると、ぼくは長女の召使いらしい。
帰宅時、間に合えばドライヤーを頼まれたらどんなに忙しくてもやるし、寝るときは足を揉む。
土曜日はトランポリンと図書館に連れていき、次女のパズル教室の間はミスタードーナツで本を読む。ドーナツは2つ。車の中はセカオワのDVD。なるべく彼女の好きなもので満たしてあげられるように。車中、会話は特にない。
寝床で、「面白いところ読んであげる」の音読も続いている。ときどき、ちゃんと聞いているか確認の質問が入り窮する。
図書館ではぼくが先に歩いて彼女が続く。横に並ぶのではない。鴨の親子とおなじ。
トランポリンの帰り、ショッピングモールでパンを買う。コンビニにもある全国チェーンの安くて美味しくないパンを選んでいるから「パパのお金ないの遠慮しなくていい。そんな大学生の一人暮らしみたいなのを今から食べなくても」といって、パン屋さんコーナーに連れていく。選んだサンドイッチの高いこと。しかも二つ。お気に召したようで、毎週買うようになってしまった。
息子には気の毒というくらい、甘やかしている。父なのか、執事なのかわからなくなる。ただお世話するだけで、しあわせなのである。