はじめての料理

帰宅すると娘たちはエプロン姿で、長女ははるさめスープ、次女は「おすしのまきまき」と名付けた手巻き寿司を夕食につくってくれていた。妻はオムライス。次女の料理を食べるのははじめてである。記念すべき日だ。次女はスーパーに妻と食材を一緒に買うところから。それぞれが役割をもって、一からぜんぶつくったそうだ。おそろいのノートとペンも買ってもらって、それにレシピを書き込む。食べた人からアドバイスをもらって、次のためにそれを書き込むつもりらしい。そのノートがキッチンにある妻が昔からつくったものと同じなことを発見してさらに喜んでいた。

「これからどんどん増やしていくと、宝ものになるよ、そのノート」と妻。

手巻きを食べて「とってもおいしい」と褒めるとパッと明るい笑顔になる次女。たまらない。

長女のスープももちろん味を褒めた上で、「はるさめは切ったほうが入れやすい」というのが長女にむけたぼくからのアドバイス。素直に聞いてくれる。

「私にもない?」と次女が求めるので「ネギトロ巻があったらうれしかった」というと、「さっきは3種類もあるっていって喜んでたでしょ」と不満げでむくれている。

「次のときのためだよ」と拗そうになったからなだめる。今回の手巻き寿司は納豆、きゅうりとハム、シーチキンであった。

お風呂で二人を洗いながら何度も「ありがとう」と「おいしかった。うれしかった」と伝える。妻もぼくも、ほんとうにとても助かる。自分がつくったものは美味しい、それも発見してくれたようだ。昨日の友人によるおりょうりえほんのレクチャーのおかげ。ちょっとした声がけと役割分担で、小さな子どもも戦力になる。