自然博士になる

今日も主に息子と過ごした。近くにある小さな博物館に久しぶりに行きたいというので連れていった。山間にポツンとある。空いてるだろうと思ったら本当にそのとおりで、ひと家族とすれ違ったのみ、あとは貸し切り状態だった。植物・動物・地質のそれぞれにクイズがあって、正解したら「博士」として名前が掲示されるゲームをみつけて、そこに同級生たちの名前もあるものだから触発されてやりはじめた。1時間くらいかけて展示をじっくりみながら答えて、無事博士になっていた。待ってるあいだ、ぼくも地元の地形やらじっくり知ることができて勉強になる。鴨の剥製があって、とっさにメルちゃんを思い出して頭を感慨深そうになでていた。いろんな理科の実験器具があったり、ペットボトルをつなげて空気圧とか渦巻を利用したおもしろ工作もあり、最近理科で勉強したことと関連づけて興味深そうにみていた。一般には地味な博物館だが、息子とぼくにはこのくらいには実に興味がそそられる、いい展示ばかりだ。展示室いっぱいの床に、3万分の1の航空写真で地元の地形図がきれいに貼られている。息子が「我が家はどこだ」と探し出し、てんで見当違いのところを最初は指していたが、やがて川を手がかりに最後はたどりついていた。

結局、クイズもあって閉館までいた。

玄関を出たところで、「楽しかったな」とぼく。

「うん」

「よかったな」

しばらくして、「父ちゃんも、楽しかったやろ」と息子。

ぼくが楽しかったどうかを気にしたのは初めてである。博士になるまでの間、待ちぼうけをさせていたのが気になっていたのかな。

「楽しかったよ」と答えると、少しほっとしたようすだった。本音である。確かに手持ち無沙汰にはなったが、図書室でそのおかげで、普段手にしない巨木図鑑とか「地質に関する資料本などをみてみた。開くと、自分の最近のトピックと関連があって、何かしら発見がある。例えば巨木は先生からの「大きな木の下で」の木は、どんな樹種かなと思いを馳せることができた。サクラか、クスノキか。ほかにも、普段見える山々は何山なのかを確認したり。その時間がなければ、興味がないと素通りしていた。息子と過ごすから、得られることもあるのだ。道中の桜と菜の花も満開で、実にきれいだった。

 

長女と次女は妻と、ママ友たちと少人数のお花見に行ってきた。楽しかったようだ。お風呂にいれて、寝かしつけはできた。次女のオデコが少し熱い気がしたので体温を妻に測ってもらうと36度台の平熱でほっとする。「しんどい?」と尋ねると「しんどいって、なあに?」と元気な声で返ってきた。

ここ2日は長女から英語の本を「読んで」とはいわれない。次女とずっとキャッキャ遊んでいる。楽しそうだ。お風呂では各々お尻にスーパーポールをはさんでは落とし、ゲラゲラ二人で笑っていた。