回転寿司

「ねえ、貝のこの緑色のところって、心臓?」(長女)

ぼくの誕生日祝の回転寿司で。はまぐりの味噌汁を長女も次女もおかわりしていた。「わからない」と応えるとホッペを膨らませて「なんでしらないの」とむくれていた。

「パパものしりだけど、知らないんだね」と次女。

保育園の友だちの名前をあげて「すっごいものしりだから、きっとしってる」とのこと。博士がいるのだな。

マグロ好きな息子は中トロを最後頼みたいと懇願してくる。無理筋と分かった上でのダメ元のお願いだ。ぼくは誕生日であろうと、400円以上の皿は我慢している。中トロは700円する。ぼくには決断できないから妻に任せると「じゃ、メロンとどっちがいい?」と息子に切り返し、息子は悩む。長女と次女はメロンを最後に食べると決めていた。「メロンって、緑の?」と色を気にした末、中トロを選んだ。「また口の中で溶けた」と喜んでいる。それが当たり前ではなく、ありがたみを感じてじっくり楽しむなら、それが一番よかろう。妻が「一つ父ちゃんにあげたら?」と提案していたが、断った。息子がおいしいと喜ぶ方が、親はうれしいのである。