長女の上の前歯が抜けた。ここ２週間くらいずっと気にしていた。もう神経はちぎれてグレーになっていた。正確にいうと、我慢しきれず抜いた。妻も加わり、糸をつかっていた。９０度に回転させたり、グリグリ強引にやっていた。ぼくはみてられなかった。最後は手でちぎったらしい。ぽっかり、大きな穴があいて、なくなったらなくなったで変な感じがして気になるようだ。スッキリしたとぼくのところにきて歯を見せてくれた。しばらくは歯抜け娘。そういえば、今日はじめて学童で縄跳びの二重跳びに成功したようだ。
次女は抜くまでのずっと一連のくだりをシゲシゲと横でみていた。「抜いてあげる」と勇敢にいっていたが、長女はさすがにやられることはなかった。その間に息子がサッカーから帰ってきた。「早く一気に抜けばいいのに」と先輩風を更かしていた。かれはかれこれ８本すでに抜けたらしい。今も奥のほうに１本グラグラのがあり、同じように指をつっこんでグリグリやっている。「気になる」そうだ。
次女は今日カレーをつくる手伝いで、玉ねぎと人参を切って、お鍋をかき混ぜた。ぼくの東京の友人がくれたプーさんのメガネをしていた。「目がしみるからね。」できたカレーを食べて「おいしい」と褒めると、とてもうれしそうにぼくに近寄ってきた。今日は保育園で裏山にいったみたいで、「見た花の絵を描いたら？」と促すと「わかった」と色鉛筆と紙を手にして、ぼくの横で積極的に描き始めた。だまって集中して色鉛筆を走らせている。花はすぐにおわって、ドレスをきたお姫様や女の子をせっせと描くことに移る。真正面を向いていて、髪は脚まで長く、かならず片目はウインクしている。スタイルがいい。ずいぶんうまくなった。
もう時間は９時近くなっていたので妻がやきもきして「お風呂はいるよ」と何度も急かすが、絵を描いているときの次女の集中には目をみはるものがあって、描きあげるまでお風呂にはいかなかった。
