息子のサンタへの手紙。
蛇腹に折って靴下にいれた。はみ出た部分に「これだよ サンタさん」としたためている。開けば以下の文。
「サンタさんへ
毎年寒い季節の寒い夜にプレゼントを届けてくれてありがとう。温かい紅茶をのんでいってね。
ぼくは、R2-D2のラジコンと
レーザークロスシューティングのW(ダブル)セットが
ほしいです。
二つはダメだったら、レーザークロスシューティングを下さい。
母ちゃんもほしいと言っているからできたら何かあげて。
来年もまた来てね。メリークリスマス!」
まさか冒頭お礼の一言からはじめられるようになるなんて目頭あつくなったが、妻がアドバイスしたらしい。そりゃそうだよな。妻への配慮も書かせたかは妻にはきかず。
ただぼくは妻に正直に「ごめん、用意してない」と告白。「いつでもいいですよ」と返ってくる。「いや、それはそれでいいんだけど、なかったら、『母ちゃんのないな』ってあいつが思うやろやろ」というと「んじゃ、わたし、自分で買ってくるわ」とぼくが子ども3人をお風呂に入れている間に出かけていった。たぶんドラマの中の高橋一生のような男ならちゃんとサプライズで夜に添えるのだろう。
今宵は子どもたち3人が寝床に行くまでがいつになくスムーズである。サンタ効果おそるべし。
サンタさん。まっすぐに信じているなら、まっすぐ応えるのみである。
ただ、寝床でほんとに寝つく直前に「サンタさん、お父さんとお母さんってほんとなん?ヤマギシがいうてた」とポロッときいてきたので内心ギョッとする。さっきまで紅茶の場所を妻に指定していたはずなのに。
もう9歳だもんな。揺れるのも無理ない。「誰や、ヤマギシって、しらんぞ」「そうだよね」でまじめにはとりあわず。「信じない家には、来なくて、代わりに親がやっている」。それでいいのだ。
長女はダイヤのネックレス、次女はリカちゃん人形。長女もがんばって自分の字で書いて、別の靴下に入れている。
「来年もまた来てね」。サンタさんだって来年もまたその先も、来たい。