アイデア人間

1のアイデアをだれかに言ってみたとする。

それを10にする人、1.5にする人、0.5にする人、0にする人、マイナスにする人。反応は人それぞれ。アイデアが耳から入って口から出るときに、それにいくつを掛けるか。人はそれぞれ数字を持っているようだ。

残念ながら、役所ではなかなか、1より大きい数字の人とは出会えない。アイデアはどんどん小さくなっていく。会議でみんなでつぶしたりする。最低の会議。話した時間が無駄に思えることもしばしば。

東京にいたころはそうでもなかった気もする。1がどんどん大きくなる仲間が身近にゴロゴロいた。自分の方が大きくできると競い合っているかんじもあって、スポーツみたいで、刺激的だった。

たまに、虚数の人もいる。自分にはない世界にいく。それはそれで面白い。

イデアを高め合う関係というのは、人生を面白くする。それが妄想までいってしまうと、実現するのがむずかしくなるけど、まずは想像を膨らませてみて、視野を広げることは確実な着地点を見出す上でも大事だ。

イデアをひらめく、想像力を働かせる。人間のその能力に、まず敬意を払わなきゃいけない。アイデアをつぶすことは、頭を働かせなくても、無能でもできる。対話して、アイデアをふくらませることにも、これまた想像力がいる。

だれかがアイデアをいったら、まず「いいね」と受け止めよう。そして、どう返したら1より大きくしてあげられているかを考えよう。小さくしてはいけない。一緒にいて楽しくない。もしも別のアイデアの方がいいなと思い浮かんだら、「こうしたらもっといいのでは?」と投げかけてみよう。悪い点をいうのではなく、別のアイデアを提案しよう。

自分も、アイデアをいっぱい出せる人になろう。アイデアをたくさん出す人には、いいアイデアが集まってくる。それは世の中の常なんだ。がんばって想像力を働かせることのご褒美なんだね。

いいアイデア、わるいアイデアなんて、恐れなくていい。出せるだけで、出せないより、ずっとずっとすごいんだ。そして出せば出すほど、上達するものだし、世の中の見え方が、変わる。アイデアを生み出す視点で眺めたら、地球は、世界はもっともっと魅力的で、美しくみえる。他人のアイデアで作られたものを、あーだこーだいいながら消費している人は、起きているけど、寝てる。それでは見えない世界、楽しめない人生が、ある。