スイミングとステーキ

プールをひさしぶりに見に行けた。姉妹で4月からバスで通っている。運転手から飴をもらえたり、楽しいらしい。

長女は背泳ぎ、次女はクロールを隣りどおしの別々のコースで練習していた。途中で先に長女がぼくに気づき、手を振る。次女はなかなか手を振っても背泳ぎに夢中で気づかない。長女も次女も待機しているときに、長女が指で隣のコースの次女に合図してぼくがいることを教える。とっさに次女がこっちを向き手を振る。彼女たちはバスに乗り込み、ぼくは自転車で帰路に着く。

途中でバスがオンボロにもかかわらず1万5千円もする小さなステーキハウスの横を通り、バスの運転手さんが「一度いったけど二度と行かない」という話をしていたと長女が帰ってきてから話す。

「パパもむかし、一度行ったことあるよ」

「おいしかった?またいきたい?」

「もう行かなくていいかな」

お金に困らなかった時代の遠い昔の話。スイミングは来週テスト。