保育園に送ると、大きな笹の木に沢山の短冊がかけてあった。
「そういえば七夕だね。」とぼく。
次女の短冊をまだみていない。
「ここにあるよ。はしご登ってみてごらん」と次女。
ぼくの背丈のやや上にぶら下がっていて、それをめくると「あしがはやくなりますように」と書いてある。
足が速くなりたい。こんなにいっぱい時間を過ごしているけど、彼女の口から聞いたことがない。保育園でおにごっこやかけっこをしたり、お兄ちゃんやお姉ちゃんと競争したりして、感じているのだろう。
「速くなれるよ。ぜったい」と励まして、教室の入口で見送る。もう荷物を全部セットするまで「待ってて」とは言わない。