花より男子

妻が借りてきた「花より男子」のドラマを娘たちが夢中でみている。小2と年長なのに恋愛模様をドキドキしながら追いかけて、さぞ楽しいそうだ。F4と呼ばれるお金持ちのイケメンのだれがかっこいい、全員かっこいいなど。だれだれがイケメンというときの長女は顎を引いて口を尖らせていかにも照れている。普段みない表情である。

「結婚する相手、お金持ってないとダメってなったら、たいへんだよ」とぼく。

「なんで?」と次女。

「お金持ちって、少ないから」

「そうなんだ」

結婚する人で大事なことってなにかな、を点検したら「優しいこと」と二人が口をそろえる。

そうなのであるが、「いつものパパの言い方では?」と聞き直すと長女が「大事にしてくれること」と即座に答える。

次女から「パパにとってはね」と冷静に返ってくる。

お風呂の窓から夕日が海に沈むのを見届ける。今日の夕日は空が晴れ渡り、格別であった。湯気で曇るためにせっせと娘たちが代わる代わるハケをガラスに走らせて水気をとりながら。