親切とワガママ

次女は必ず咳をすると「だいじょうぶ?」と声をかけてくれる。

我が家の土間にある灯油ストーブは2時間連続で燃え続けると「ピーピーピー」と音を発して、「継続」ボタンを押さないと止まる。

最近はその音を聞くと次女が駆けつけてボタンを押してくれるようになった。昨日も寝床に入っていたが、そそくさと向かってくれた。実に甲斐甲斐しい。

小さな身体で大きな親切をしてくれる。

今朝の出来事。水分を多く含んだ雪が降っていた。地面はベチャベチャで、少しずつ積もっていた。

車で保育園につくと駐車場のアスファルトも次女のスニーカーでは濡れてしまうようなつもり方で、両肩を抱えて玄関まで持ち上げて運ぶ。気に食わなかったのか「降りる」と途中で自分の足でいく。

スニーカーで来たのを後悔したのか、保育園の玄関で靴を脱いだあと「ブーツがいい」と言い出す。外遊びするのには長靴が置いてあるから特に困らないはずなのだ。だけど「ブーツがいい」と繰り返す。家に戻り、履き替えなきゃいけないかとおもうとうんざりして「もう家に戻れないよ」というとまっすぐな目で「なんで」と聞き返す。物理的にも、時間的にも、できてしまうから答えに窮する。戻ってきたら、ちょうど9時くらいになるか。面倒なだけだ。

押し切って家に戻らないようにすることもできたけど、この子が最近親切をしてくれていることもあって、いうことは聞いてあげたいという思いにかられる。

もう一度靴を履かせて、家に戻る。ブーツを玄関から出して次女が履いている間、息子の通信教育の封筒を持ち出すのを忘れていたことに気づく。一度戻ってきたおかげで、それに気づいて今の道中でポストにも行けるということで、無駄ではなかったと自分にいい聞かせる。

次女はご機嫌に戻って、無事再度登園した。最近は教室の前で荷物の整理が終わるまで「待ってて」とはいわず、教室についたらタッチをしてバイバイ。