擦り傷

「おれ、怪我になれてきた」

自転車で近所を一周してきた息子、また膝小僧が擦り傷で血だらけである。公園で滑って倒れたらしい。倒れそうになったら自転車から手を離し、転倒する自転車は先に滑らせて自分の身体は近くで受け身をするように心がけたが、膝は激しく擦りむいた。膝も。頭を打つのは避けられた。

その後トイレいって洗って、気を取り直してまた別の公園を走って帰ってきたそうだ。

こちらももう驚かないが、夜に上のようにつぶやいていた。小さなころだったらおおごとであったのに、いまじゃ一人でなんとかしている。そして「もういやだ」と自転車を嫌いになるわけでもなく、また乗るのを楽しみにしている。