腕の力

めざましく長女がいろいろできるようになっている。できるようになった逆上がりを見せたいから公園に行きたいという。二人でいくことになったので、自転車で行く。よろよろしながらも、補助輪がない自転車を一生懸命漕いで、バランスをとりながらヨロヨロ先をゆく。交差点でもしっかり停まることを確認しながら背中を追いかける。

公園について、鉄棒の前にいくと顔つきが凛々しくなって、逆手で棒を握ると、想像していた足で蹴り上げることはせず、両足を鉛直方向に空に刺さるようにグイッと上げる。両腕に力が入り、ぐいっと折れ曲がって、足の先がどんどん上がって、顔よりも高い位置になって、鉄棒を超えて、顔の前に足の先が落ちてきて見事に回転する。器用に途中で逆手を順手に持ち替えている。回転ではなく、真上に上がるかんじ。

感動して思わず「オー」と声が出て、抱きしめた。すごいすごい。

ついこないだ、先にできるようになった近所の同じ歳の友だちがお手本で見せてくれたやりかたをそのまま踏襲している。足で蹴らず、腕の力であがるというもの。ぼくはそのとき、なんでかくも軽々しく身体を腕の力で持ち上げられることができるのか不思議だったけど、この年齢では足で蹴り上げる遠心力系のやり方よりもいいらしい。

そのときは、できなくて悔しそうだった。お友だちを褒めていると悲しそうな顔になった。なので、いっぱい褒めてあげた。保育園でいっぱい練習したらしい。手に豆ができたんだよ、と教えてくれる。

その後公園を自転車で二人で一周して、上り坂になる家路につく。坂も甲斐甲斐しく一生懸命自転車を漕いでいる。立ち漕ぎにも挑戦している。今度はもっと遠くまでいってみよう。

長男はこないだ、ウンテイがある公園行きたいといい、近くの公園には意外にないので車で探して走り回って、普段いかない小さな公園でやっとみつけた。雨が降っていて、いざやってみたら手が滑って落ちていた。こちららも腕で全身を支える。もうこっちはとてもできない。