タイムマシン

「この世はタイムマシンがあるとしたら、それは音楽だ」と藤井フミヤはいった。たしかに音楽は過去に連れていってくれる。

司馬遼太郎さんの小説も、幸せなタイムマシンだとおもう。映画になったものではいけない。自分が想像を働かせる幅が狭くなる。たいてい、教科書には出てこない、市井の人物がキラキラと輝いている。会話し、喜び、怒り、悲しみ、耐え、努力し続けながら、人間は生きている。時代はかわれど、原理はそう大きくは変わってない。『菜の花の沖』にでてくる商売人たち、特に繁栄を誇る兵庫の北風家は、いまのGAFAがやってることと同じだ。