マー君

下の階にいる息子が、はなれにいく途中に何かさけんでいる。

おもやに入ってきて、「マー君だ!」とはしゃいでいる。

マー君とは軽トラで廃品回収に回っているオッチャンのことだ。土曜日の朝にときどきやってくる。最近こないね、と先日寂しそうにしていた矢先だけに、興奮もひとしおらしい。

マー君とはバトスピというカードの交換をする。自分の不要になったものをあげると、何枚かくれる。古新聞も渡す。ゴミ袋もくれる。

家の前に車がくると、ディズニーランドのミッキーがきたかのような歓迎ぶりで、手をふる。もうぼくは立ち会わず、皿を洗いつづけて彼に任せる。マー君は今日は天気が良くて景色がいいので崖にむかってスマホで写真を撮っている。

なにやらいろいろ話をしているようだ。

「バイバーイ」と手を振って見送ったあと、おもやに戻ってきて、「月に1回はくるから、古新聞どこにも出すなだって。教科書でもいいぞって」と報告。一ヶ月ためると、かさばるんだよなぁ。