誘導じんもん

次女と二人でおふろ。身体を洗いながら、お姉ちゃん、お兄ちゃんのことを好きか聞くと「うん」と笑みをたたえながらうなづく。「なんで?」と尋ねると、お姉ちゃんは「いっしょにあそんでくれるから」。お兄ちゃんは「泣いてるとき、慰めてくれるから」。

追加で訊いたパパとママについても「うん」と返ってきたものの、「なんで?」に対しては「わからない」と首を傾げていた。

浴槽に彼女を抱えながら入る。顔がぼくの胸にあったから「心臓の音、聞こえる?」と促すと耳をあてる。「ドクドクいってる」。

次に彼女の胸に耳をあててみると、ドクンドクンという重く、素早い鼓動が耳をつく。当たり前だけど、ちゃんと生きてる。うれしかった。我が子の心臓音を聴くのは、息子か長女がまだお腹の中のとき、エコーであった気もするが、産まれてからは初めての気がする。