アメリカの思い出

子どもたちへ。パパはかつてアメリカの会社で働いていたのだけど、アメリカという国に興味を持ったのは、大学のときに西海岸のスタンフォードというところに2週間、研修にいったときなんだ。大陸が大きくて、どこまでも続く大地があって、空は青くて天気がいい。自然がいっぱいあるところに、ひとつの街のような大学があって、たくさんの人が住んでる。建物は、昔からある建物も、新しい建物もみんな同じ色の屋根や壁で揃っていて、かっこいいんだ。いま、あなたのお家に入るとき、大きな並木道があるでしょう、それが気に入って、ここに住もうと思ったのは、そのスタンフォードのキャンパスの入り口の景色に似てるからなんだね。Parm treeの並木道。一度見に行ったら、これかって思うよ。サンフランシスコの街も素敵だったな。海と坂の街。そして少し車で走ればまた自然が広がってる。アップルやグーグル、ディズニーといった世界で仕事している大きな会社もこの西海岸にある。思いっきり仕事をして、休みは自然と戯れる。こんな贅沢な環境がアメリカにはあるんだなとびっくりしたよ。もちろん、日本もいいところいっぱいあるけどね。

さて、そんなスタンフォードに行っていたときの拙いメモが、やっぱり見つかりました。捨てる前に、そのとき感じたことを思い出として、若い頃の文だから恥ずかしいけど、ここに書いておくね。いつか西海岸、一緒にいけたらいいね。

 

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2月16日

機内でknowwell?と話す。彼はフィリピン人。スポーツ何するか聞いたら、「Malboro吸う」と返ってきた。いいヤツ。おれは英語をもっとしなけりゃまずい相当。

 

2月17日

とりあえず英語を臆せず口にしようとするものの言葉にならなくてこまる。ジョナサン、アンドリュー、スコットと話した。みんな新説に片言英語の単発単語から真意をくみとろうとしてくれてとても助かった。

アンの父親がフランク・ロイド・ライトの愛弟子(第二次世界大戦中、父はライトと同居し、建築を学んでいた!)と聞いて驚く。明日もっとくわしくきこう。いずれにせよ、びびらずに英語を口にしなければ話がはじまらない。これにめげずに話していこう。しかし、MSIで女性が魚をつかみ、どろをかき混ぜ、網を巻き取る姿には感服した。

 

2月18日

金門橋とアルカトラズ。

アルカトラズはほんとうにこんなどえらいものがあるのを知っておったまげて戦慄が走った。あそこで何人が死んで、脱走を夢見て、反省して挫折したのか。重い現実が心にひびく。

坂&坂:よくこんなところに街をつくったものだ。

Plece of Fine Arts:ショーン・コネリー登場の舞台 at the Rock。崇高な空間。すばらしい。

歩きまくってとてもつかれた。あまり英語話せなかった。そっけない対応つらい。

帰りの電車の中で浪人話で花が咲く。一浪でうかるやつは自分よりやっぱりやっている。感服。

 

2月19日

偉い教授の高尚な話。スタンフォードはとにかく個性を求める。機会は均等に与える。素敵だけど学費は年に300万〜400万は高いな。人種についてのディスカッション。スコットに黒人がそもそも白人にコンプレックスを抱くのはなぜかと聞いたら、アメリカは白人に発見されて黒人を奴隷に使っていて、そこで階層が生まれた、とのこと。では白人が黒人を虐げたのは黒人が脅威であったからか聞こうとしたら「それはロビーで」といわれ、結局奴はロビーには来なかった。ジョナサンの人がかわった怒りのスピーチを聞いて、人種差別は他人事ではなくて深刻だと感じた。

Kenzo Tange,Shin,Takeyama Minoru,Maki,Kisho,Hiroshi Hara,Tadao Ando,Kengo Kuma,Arata Isozakiの名前を本屋でみつける。

internetできたけど30分6$は高すぎる。

 

2月20日

食と金を考えさせられた。高校文化祭以来のウェイター、相手はホームレス。意外に怖さはなく、挑発やらからかいをふっかけてきたらいつでもこいくらいの意気込みでいられた。なめられてたまるかの意識が強い。私立で、あれだけの次から次へとわいてくる(2,700人ほど)者たちへ毎日食をほどこすのは日本では金が集まらないだろうし、まず無理だろう。ボランティアへの国民的意識の高さが違う。

それにしてもinternetのSOHOは30分6$は高すぎる。そしてlibraryは使えなさすぎる。

サンフランシスコまでの大自然にはみとれる(スコットは車をハイウェイとばしまくり)。そして本屋”BOARDERS"で建築本を読む。やはりMiesは美しく、落水荘はかっこいい。明日も英語がんばろう。

 

Charter School in East Palo Alto訪問。School of knowledge and wisdom.Afro-centric curriculam。アメリカで一番危険なところにある学校。highest per Capita murder rate in U.S.A. ホームレスもたくさん。自分の人生なんて簡単に終わって寂しいと思わせるところにいく。

 

Educationについての討論。

Drop outしても金持ちになった人たちがアメリカにはいっぱい。

Stanfordはdiversityがモットー。理由は歴史にある。1885年設立。ここは百年前未開の地。Stanfordはそこにできた。他とは違う個性、特徴を求めて生徒がここにわざわざ大陸を横断して集まった。固有性を確立しようとした。

 

手を上げたり、率先して行動するのがU.S.では当たり前で、その能動的態度に自分もならなくてはならないと思う。

かっこいいバイクみた。HONDAのPacific Coast(?)

 

2月21日。しんぺいトークショーの日。

Violenceの討論。はじめて発言。

 

2月22日

そねの勇気に感心した日。教授の建築家女性と研究員生と話す。磯崎新とも知り合いなんだとか。やっていることはあまり日本とかわらなさそう。

スタンフォードのバスケの試合を観る。システマチックでとても強い。アメリカでもNo.1はこうなのか。でもあまり興奮はしない。センターは動いてスクリーンしてローポストに場所とってゴリ押す。2,3人いるならパスをだす。ディフェンスはへばりつき。手を上げる前をとる。眠くなった。でも眠くならせるようなチームプレイがシステムを追求するチームの理想形かも。ヘルプがものすごい速い。切れ込んだら2、3人で固める。2線3線はそいつをおさえてから。裏を使う。

 

2月23日

シリコンバレー(S.V.)。100のNew Company,1,000のbunkruptcy in 1 year.Stanford is in the center of it.

若手起業家と個人投資家(called "Angel")が朝食。資金を集めて製品を売る。投資家は有望な成長株を手に入れて利益をあげる。

プレゼンでの判断基準は人間性(humanity)。有望な人材を集めるかどうかをみている。

起業家は失敗しても投資家に返済しなくていい。このシステムがS.V.を大きくした。

Stanfordは起業家育成も盛ん。Prof.トーマス・コスニックは名人。"Businessは学問をpromoteする”

①発想力

②チームの活用能力

③失敗克服能力(何を間違えたかを学ぶ。がっかりするな)

失敗した人間の方が次に成功する確率が高い。

日本は起業欲最下位。0.9%。投資家に返済しなくてもいいというシステムではなく、失敗したときは大きな借金を負う。

80億を失敗しても借金にならないために大克服した男もいる。

 

2月23日

HANNA HOUSE。ライトの設計。

ススにチェス3連敗。Noodleに行く。よしおとバスケ。

 

2月24日

HANNA HOUSEにデッサンしにいく。Santa Cruise(海)までLiliの車で行く。助手席。懸命に話す。スケート。すべりまくり。何もできず。カフェベローナで豪華なDinner。Miesの本かう。おかべと4:00まで話す。

 

2月25日

Stevenとあと一人のDormに泊まる。LibraryでEmailかく。Rimember the Titanという映画を観る。目がやたらと痛む。寝てしまう。

 

2月26日

サンフランシスコのホテルは比較にならないほど広く驚く。そねとしんぺいの意外な一面に腹をかかえる。しんぺい、けいすけ、そね、けんたとモノポリー。おもしろいけどしんぺい圧勝。「すし」食うけどうまくない。ゲイの街。げせわな街。ここまでオープンにやられるとすがすがしい。Pamera8.おたくの声を集めて音楽にする。センスよろしい。サンフランシスコはやはり坂多い。

 

2月27日

City Hallは宮殿をモチーフにしてるだけあってすごくすうこうやお屋敷。SPが本物。かっこいい。

 

2月28日

LIVISのジーンズとNIKEのスニーカーをかう。おかべと2人でサンフランシスコを歩き回る。ダーリーンの家でHome Party。スコットとパトリシアを尋問する。アメリカ料理屋が日本にないのは、やはりおいしくないからなのか。でっかい公園を晴天の中歩き回ってとても快適。

 

3月1日

マリオ・ボッタ切開の現代美術館をたまたま見つけて驚く。ケーブルカーの景色(海+坂)に感激する。farewell partyは中華料理屋。夜はそねやしんぺいやさとしと語る。MONCLERのコートかう。

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