要介護

フルマラソンに出た。目標の歩かないで完走したはいいものの、下半身はいつものように立てない歩けないの後遺症がすぐにくる。長女と次女が痛がるぼくを面白がって、いろいろ手伝ってくれようとする。足が曲げられず、トイレに座れない。困っていると長女が肩を貸してくれる。座ったのを見届けてから出ていく。それをみて「私もやりたい」と次女がいうので、トイレが終わってから、今度は次女を呼んで肩を貸してもらう。高齢者のトイレに手すりが必要な理由がしみじみわかる。

どうやら、完走メダルをみて「パパはすごいことをした」と思ってくれたみたいだ。沿道での応援でいっぱいの人が走っているのをみて、よくわからないけど走ってがんばったようだ、というのは感じたのだろう。しかもメダルをもらってきた。「何で一番になったの?」と聞いてくる。

次女はそのあとも、ぼくのことを何かと心配してくれて、そばから離れず、いろいろ手伝ってくれようとする。階段を降りるときも「手伝ってあげる」とそばにくる。履いていたスパッツも「はやく脱いだらいいよ、これがきつくて痛いんだよ」とアドバイスされる。

長女もさることながら、次女まで人に優しくできるように育っていることに気づいてうれしくなる。「脚が痛いから、膝の上に乗せるのは今日はごめんね」といっても、長女も次女もそれを忘れて乗ってこようとしたけど。

息子も携帯電話とかいろいろものを取ってきてくれたり、寝る前はマッサージを丁寧にしてくれた。背中もだいぶ凝っていたから効いた。終わったら「おやすみ」母屋に帰っていった。

そのまま長女と次女にイソップものがたりを読んで一緒に寝た。

長女がぼくがあるくときに両手を貸してくれて、ヨチヨチ歩きになっていると「赤ちゃんみたいだね。かわいい。はい、パパちゃん、おむつかえてあげますよ〜、ウフフ」と楽しそうだ。一方で妻から「こんなに重たい人は運べないし歩けなくなったら老人ホームにどうぞ」と言われる。