朝、保育園に次女を送るとき。彼女は土間のストーブの前、ぼくは横の和室で洗濯物をたたんでいる。
「ねえ、おみくじで、一番よくないのって、『小吉』?」
「ううん、凶だね」
「きょう?きょうきち?きょうってなに?」
「ううん。きょう。よくないってこと。吉の反対が、きょう。大凶ってのもあるね。」
しばらくだまって考える。
「きょうの大きなのが、だいきょう?」
「そうそう。」
「そうなんだ」
新しい言葉をきいたとき、新鮮な驚きとともに、まっすぐこっちをみながら、少し首をひねって、真剣にのみこもうとする表情は、この年令ならではだ。毎日フレッシュ。うらやましい。