運命

「ウンメイって、何?」次女が、息子に。

「父ちゃ〜ん、運命ってどう説明したらいい?」と階下から次女に尋ねられた息子に聞かれる。

「説明してみ」と突き放す。

やがて次女が階段を昇ってくる。

「運命、なんでいってた?」

「『かえられないもの』っていってた」

「そうだね。たとえば、パパとママの子どもに生まれてきたこと、これ運命。3人目として生まれてきたこと、これも運命。自分で選んでなくて、そうなってることかな」

わかったようなわかってないような返事をしていた。無理もない。