サインへの憧れ

息子が本を買った。怪盗レッドの最新のシリーズらしい。著者のサイン入り本が3名にあたるという情報を入手して、買わないと応募できないことがきっかけ。自分のお小遣いで買うと決断したらしい。我が家は本を買う余裕がなく、図書館を使えといっていて、図書館にも購入リクエストをかけていたが、サインはそれだけあこがれらしい。妻と本屋にいって買ってきて、喜々として早速読み始め、1時間半ほどで読了していた。実にあっけない。「立ち読みでよかったんじゃないの」と妻が思わず口にするが、本人はたいそう満足した様子である。何度も読むといっている。

昼は宗田理さんのこれまたサイン本がほしくて、こちらはオンラインで応募させられた。「ぼくらシリーズ」である。好きな場面を思い出しながら、アンケートに答えていた。

本が大好きだけど、普段は買わないからこそのありがたみ。おそらく500冊かりて、

1冊買うというくらいの割合。全部ダメ、ではなく、たまにはこういうのあってもよいなと思い直した。

 

ほうこく

朝食のとき。「パパ、今日はじめて、左手で冷蔵庫開けたよ」と長女。

「どうして?」

「右手にこれ、もってたから」

なんでもないことの報告だが、こういう言葉の会話が、日常を彩っている。ぼくにとってはネットニュースの一行よりも、こっちの方が大事だ。得てして消えてゆくのだが、こうして書き留めておくことも、時間がたつほど、意味を持つであろう。

ショートカット

長女も次女も、バッサリ髪をきった。丸いおかっぱである。姉妹同じ髪型。長女も七五三が終わったから、ずっと伸ばしてきたけど、踏ん切りがついたのだろう。「かわいい」と褒めると長女は我慢しきれず笑みが溢れる。

お風呂で次女の髪を洗っていると、シャンプーとリンスの時間がこれまでの半分くらいである。「はやっ」と次女。

「ボブ、っていうんだよ。その髪型」

「なんで?」

「わからない」

「ショートカット、でしょ」

「ショートカットの中に、ボブがある。ショートカットは、短い髪ってこと。パパの坊主も、ショートカット。」

「坊主は一番のショートカット?」

「そうだね」

「坊主って、髪、あるの?」

「髪はあるよ。」

「髪のない坊主って、あるの?」

「あるよ。スキンヘッドっていう。」

「そうなんだ」

 

お風呂上がりのドライヤーのときも、大幅な時間短縮。

「髪は短くなったけど、髪は抜けてない。なんで短くなるの?」と質問が飛んでくる。

髪の総量が減ったことがイメージできていないようだ。

「うどんで考えてみ。うどんの一本一本を、半分に切るでしょ。何本かは変わってないでしょ、だけど、切る前と切ったあと、お腹いっぱいになるのどっち?」

「切る前。」

「そう。そういうこと」

どうにか理解できたようだ。

 

長女も「この髪型、お気に入り」と喜んでいる。

 

今日、学童と保育園それぞれで「髪切ったね」とたくさんいってもらったらしい。

 

ついでに、「パパも髪を伸ばしてほしい」とリクエスト。坊主だと、整う短髪になるまでの中途半端な坊主の段階が実に気持ち悪いので、その壁を乗り越えられる気がしない。耳に髪が微妙にかかっている坊主はみるにたえない。

新しい靴

「きつくなってきた」というので、息子のテニスの内履きを買い替えた。スポーツ店で足のサイズを測ってもらい、慎重にどれにするか選ぶ。ぼくが指定した4000円以下で。24.0センチだとなおきついらしく、24.5センチのものを選んでいた。

早速新しいテニスシューズでその日のテニス教室に臨む。車の中で、これまで使っていた内履きをシューズケースから出して、新しいのを入れる。「ありがとうございました」とはっきり大きな声でお礼をいう。てっきりぼくにいっているのだと思ったら、古い靴に向かっていっていた。モノにちゃんと愛着あって、大事にしようという心構え。殊勝である。

お風呂の温度

「ねえ、45度のお風呂って、あつい?」

次女がお風呂で湯船に浸かりながら。我が家は41度である。保育園の友だちのお父さんは45度で入っているんだって、という報告。そのママとその子は42度らしい。実にどうでもいい情報であるが、こういう情報ほど記憶にこびりついて忘れにくい。その父親を今度参観日でみたときはまっさきに「45度」が連想されるだろう。

「45度は熱いよ」というと「すごいなぁ」と尊敬の声を上げていた。保育園で友だちと、見たこと聞いたことなんでも、いろんなことを話しているんだな。

赤ちゃん葉っぱ

どれくらい春らしくなってきたかというと、中庭にある二本の落葉樹のうち、低木に薄い緑色の「赤ちゃん」葉っぱが芽吹いた。

昨日の朝に気づいて長女にいうとすぐさま中庭にいってしげしてとみてる。

「お花の蕾みたい」

たしかに何枚かがまとまり、すぼめた状態でポツポツとある。少しずつ開いてくるのだろう。

「かわいいね」とぼく。うなずく長女。

高い方の紅葉はまだである。去年はミノムシが大量発生してえらいめにあったから、最初から気をつけねばならぬ。

今朝、長女がハンモックがほしいと言っていた。それも、春だからだね。