いちばん

長男がインフルになり、ついに妻が倒れた。長男は元気になった。
「だれかにウツしたら、治るぞ」と熱が出てお腹がいたいとノタウチまわっていたときの激励の言葉が現実になってしまった。

妻は先に床に伏す。
長女次女の夕食、お風呂、寝かしつけをやる。
いつもは長女次女でものをとりあったりケンカしたり、「お風呂はママがいい」とかいってダダをこねたりするのに、
この異常事態を察したのか、妙に今日は二人ともしおらしく、素直。なのでスムーズに進む。
お風呂で、長女が子ども3人で、だれが一番好き?と聞いてくる。
そんなのないよ、みんなが一番と返事する。

「ふーん。でも一番好きなの、パソコンだよね。うふふ」
心臓止まったよ。全部一気に白髪になるかとおもったわ。
めちゃくちゃショック。子どもたちの前では電話もパソコンもしていないはずなのに、なんでだろう。
昨日やむを得ず食事のときでも立ち上げていたのが印象に残っちゃったかなぁ。

寝かしつけのとき。長女はいつもどおり腕の中で寝る。アトピーなので、お風呂あがりはあちこち痒くなるので、さすってあげているうちに寝るのが毎日の習慣。タイマーが内蔵されているのじゃないかというくらい、正確に21時になるとパタリと寝る。

次は次女。今日はママが対応してくれないので、ぼくのところにくる。
彼女はまだ意識ランラン。小さな声で、いろいろ話かけてくる。
両手の指を広げて、それぞれの指を合わせる。この形、できる?と聞いてくる。
できるよ、というと「そっか」とまた次の指の形にする。
保育園の先生が、今日は何してくれたとかお話。普通に会話になっている。成長めざましい。
笑いながら、じーっと顔を近づけてくる。こういう時期、長男にもあったな。顔が似てるから思い出す。
ぼくの顔の目の前で止まる。近い。とても近い。そして、「パパ、お口、くさいね」と小声でつぶやく。
無表情。ものすごく冷静な口調。かといって、顔の位置は眼前から変えない。そういうのが一番傷つくパターン。
すみません、君が寝たら、歯を磨きます。

いろいろグサっときた夜。